成分偏差値の解説
成分偏差値(日本酒度、酸度、アミノ酸度)は、ある程度の「味のタイプ」を知る指針になります。甘口、辛口、淡麗、芳醇など、自分の好みのお酒を選ぶ参考にするとよいでしょう。
それぞれの値のもつ意味を、下記に解説しました。
1.日本酒度 |
お酒に含まれるエキス分の多少をあらわします。
日本酒度が高いお酒はエキス分が少なく、辛口のお酒になり、日本酒度の低いお酒はエキス分が多く、甘口の味を示します。 |
2.酸度 |
酸味の強さをあらわします。
酸度が高いと辛口に感じ、低いと甘口に感じるようです。 |
3.アミノ酸度 |
アミノ酸の多少をあらわしています。
アミノ酸が少ないと淡麗な味となり、多いと芳醇な味になります。 |
しかし、注意してほしいのは、これらの値が総てを表しているわけではないということです。
その最大の要素は香りです。香りはこれらの数値からはわかりませんが、「味」に大きな影響を与えます。また、舌ざわりも、のど通りも、微妙なバランスもこれらの数値からは知ることができません。
数値ではかなりの辛口なのに、飲んでみるとあまり辛く感じさせないお酒もありますし、反対に甘口のはずなのに甘く感じないお酒もあります。アミノ酸度が高くコクがあるはずなのに、サラリとしたお酒もあります。
これらの数値は参考として、最終的には、自分の舌で選んでください。
生酒について
日本酒の場合、一般的に生酒に類するお酒は、次の3種類があります。
1.生酒
2.生貯蔵酒
3.生詰酒
日本酒は通常の製造工程において、2度の火入れ(火落菌の働きを止めるため加熱すること)を行いますが、この火入れを行わないで出荷される酒を生酒と言います。
1度目の火入れは、お酒の発酵が終わり搾った後、貯蔵タンクに入れる前に行われます。
2度目の火入れは、貯蔵タンクから出して、瓶詰め・出荷される前に行われます。
「生貯蔵酒」は、1度目の火入れを行わず生酒の状態で貯蔵しておき、出荷前の2度目の火入れだけを行ったお酒のことです。
「生詰酒」は、1度目の火入れを行って貯蔵しておき、出荷前の2度目の火入れを行わずに出荷されるお酒を言います。
「生酒」は、2度の火入れをすべて行わないで出荷されるお酒のことです。
火入れを行わないということは、保存方法や容器など、すべてのものに気をつけないとお酒が悪くなってしまうということで、厳重な管理が行われないといけません。ご家庭でも、冷やして保存してください。
「越乃景虎 寒しぼり くらなま」は火入れをいっさい行っていない生酒です。その独特の味わいをご賞味ください。
「初呑切り」って何?
1月から2月に仕込まれたお酒は、貯蔵タンクの中で熟成されますが、この貯蔵中のお酒の酒質を調べることを「呑切り」といいます。特に、気温が上昇してきて火落ちの危険性が出てくる6〜7月に初めての「呑切り」を行います。これを「初呑切り」といい、酒蔵にとっては、関係者が集まってその年のお酒の出来を見る大切な儀式となっています。
「越乃景虎 初呑切り」は、この時点でのお酒(特別本醸造酒)を瓶詰めしたもので、新酒としての独特の味わいを楽しめます。
「ひやおろし」って何?
秋になって外気温が下がり、貯蔵タンクに入っているお酒の温度と同じくらいになった頃に出荷されるお酒のことを「ひやおろし」といいます。外気温が下がっていることから、出荷前の2度目の火入れを行っていない生詰酒として出荷されることが多いようです。
しかしながら、「ひやおろし=生詰酒」というわけではなく、生酒のままや、生貯蔵酒、2度火入れのお酒で発売されることもあります。
ひと夏貯蔵タンクに寝かされるため、新酒の荒々しさが消えて、熟成された丸みのある酒質になります。
このように、夏を越すことで酒質が良くなることから「秋上がり」とも言われています。
「越乃景虎 ひやおろし」は、特別本醸造の生詰酒です。
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